メクレンブルク家の王女で後にプロイセン王妃となるルイーズ(Luise von Mecklenburg-Strelitz:1776-1810)は、同世代のマリー・アントワネットと同様、田園での質素な生活を好んでいました。それを体現する形として建造されたパレッツ邸は彼女の理想だったようです。室内の装飾は新古典主義にふさわしく、ベルリンで仕込まれた壁紙、ライラックやブドウの細かいボーダー柄が採用されました。それと同じくして製作されたこのカップもプロイセンで流行した彼女のテイストをよく表現しています。若くして亡くなったルイーズですが、現代でも人気があることは何よりの証拠です。
●製作年:1795-1805年
●素材:ハードペースト(硬質磁器)
●サイズ
【カップ】
W:7cm
H:6cm
【ソーサー】
W:13cm
H:3.5cm
※マイセンタグをお借りします。
KPMの、所謂一般的な花絵を想像している方にはちょっと予想外の感じでしょうか?洗練されたこのような佇まいはあまりアンティークの中でも類稀な気がします。マイセンに並ぶようにして技術を伸ばしてきたKPMですが、マイセン以上に花絵のパターンは色々ありますから、選ぶのも一苦労です。
メクレンブルク家の王女で後にプロイセン王妃となるルイーズ(Luise von Mecklenburg-Strelitz:1776-1810)は、同世代のマリー・アントワネットと同様、田園での質素な生活を好んでいました。それを体現する形として建造されたパレッツ邸は彼女の理想だったようです。室内の装飾は新古典主義にふさわしく、ベルリンで仕込まれた壁紙、ライラックやブドウの細かいボーダー柄が採用されました。それと同じくして製作されたこのカップもプロイセンで流行した彼女のテイストをよく表現しています。若くして亡くなったルイーズですが、現代でも人気があることは何よりの証拠です。
フォームはバロック様式でこの時期に流行したスタイル。マイセンでも見覚えある方もいるかと思います。そして、ボーダーに彩色、花絵はセーブルが発端かと思いますが、マイセン、セーブル、KPMがこの様式の作品を多く発表しています。カップの裏はKPMのマークですが、余計なものがなく下に金の点の装飾は1795-1805年に製作されたことを明確に表しています。
金彩の擦れも殆ど見受けられず、ワレ、カケの無い素晴らしいコンディションです。同時期のマイセンより、KPMの方が、白磁に関する焼成技術は優れているように感じます。是非、珠玉の逸品をお手に取っていただきたいものです。たくさん量が入る訳ではありませんが、紅茶やコーヒー、玉露などじっくり味わいたいときに用いたいです。
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